原口塁華
対馬野生生物保護センター(環境省対馬自然保護官事務所)
自然保護官補佐(アクティブ・レンジャー)
大学在学中、ツシマヤマネコ(ヤマネコ)の保護のために国、県、市が協力し、さらに地域住民を巻き込み精力的に保護活動を進めている対馬のことを知りました。地域住民を巻き込んだ保護活動とはどのようなものか?ぜひ一緒に活動してみたい!と思い、2009年に対馬野生生物保護センターの職員として島にやってきました。対馬野生生物保護センター(センター)の中では、主にヤマネコの交通事故対策と市民ボランティアグループ「ツシマヤマネコ応援団」の活動コーディネートを行っています。

植樹風景(舟志の森)[提供 : 環境省対馬野生生物保護センター]
現在、ヤマネコを減少させる要因の一つとして挙げられているものが、交通事故です。毎年2~3頭のヤマネコが交通事故により命を落としています。これまでに交通事故に遭ったヤマネコの中には、これから繁殖が期待できる立派なオスや、仔ヤマネコを妊娠していたメス、母ヤマネコから離れ、独り立ちしたばかりの若いヤマネコなどがいました。このように、年齢や健康状態に関係なく命を奪ってしまう交通事故は、ヤマネコの存続に大きな影響を与えているのです。このような事故でヤマネコを死亡させないために、県と市と地域住民の協力を得ながら、ドライバーへ注意喚起を促す普及啓発活動を行ったり、ヤマネコが道路上へ出てこないよう、人と動物の動線を分ける取り組み(道路下に設置されている排水用パイプを、ヤマネコをはじめとする野生動物が移動に使えるようにしています。)を進めています。また、ツシマヤマネコ応援団(応援団)では、活動の一つとしてヤマネコが棲みやすい森づくりを目指し、対馬産のどんぐり苗を育てて植樹をしたり、どんぐりを使ったコーヒーやケーキ等を作り、島内外のイベントで振る舞ったりしています。
これらの活動には「人もヤマネコも森を利用し、共にその恵みをいただきながら生きている」という応援団のメッセージが込められています。
共に生きるということはどういうことか、共に生きるためにはどういう方法をとっていけばよいか、という事を考えながら対馬でヤマネコの保護活動に関わっています。今回のCOP10開催が、共に生きるということを皆で考えるよい機会になればいいなと思います。
対馬野生生物保護センターリンク:http://twcc.cool.ne.jp/

